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2007/11/29

ルール(ラグビーが与える女子バレーへの影響)

主な反則行為

アウトオブポジション:
ポジションまたはローテーションの反則(ローテーションの順に従ってサービスが行われない)

オーバータイムス:
チームがボールを返球する前に4回触れた場合

ホールディング:
競技者がボールをヒットせず、ボールをつかんだり投げたりした場合

ドリブル:
一人の競技者がボールを連続して触れた場合

アウトオブバウンズ:
ボールがアンテナ(コートの左右を示すためネットに取り付ける棒)に触れた場合や、アンテナの外側を通過してボールを返した場合

タッチネット:
競技者がボールに触れるための動作中、ネットやアンテナに触れた場合

ベネトレーションフォールト:
オーバーネットやパッシングザセンターラインなど相手エリアに侵入した場合

以上が6人制バレーボールの主な反則行為である(日本バレーボール協会オフィシャルサイトから)。

 

東洋の魔女達が東京五輪で披露した「回転レシーブ」「時間差攻撃」は空中戦主体のバレーボール競技において、身長に劣る日本勢に金メダルをもたらした。
だがその後、身長・体力に勝る外国勢が魔女化して依頼、我日本代表女子チームは苦戦を強いられたままでいる。
男子バレーはカワイクないのであまり見ない。

日本女子チームも近年巨人化し、なおかつスタイルがいい。
ゲームに際して髪をきりっ
と揚げた眉毛が如何にも凛々しく頼もしいのだが、長い長い脚を内股に屈曲し、ジャンプする姿に日本女性の美しさを感じる。

大きな大和撫子の谷間に普通の体躯の女の子が二人、敏捷に動き回っているのが印象的だ。
一人はセッター、もう一人はリベロというポジション、いずれもこまわりのスペシャリストだ。
リベロとはレシーブ専門、攻撃にルール上参加出来ない。云わば、「回転レシーブ」創造元の末裔だ。

セッターは「時間差攻撃」「移動攻撃」「ツーアタック」「バックアタック」を成し遂げる為の重要なトス専門職でこれも日本のパテントの継承者たる。
かつて猫田と言う、お名前どおりの猫忍者ぶりを発揮する小柄な男子セッターが活躍したことを私は忘れない。

これら日本のお家芸を継承する小柄な体躯の選手を代表メンバーに組み込んだ柳本監督に感謝を申し上げたい。

だが、世界と日本の差は依然歴然たるものがある。
世界ランク上位チームとの対戦時にはまるで子供相手同然の差を見せ付けられる。
状況は日本ラグビーのほうが低迷している。
彼らは外国人選手を多用しながらもなおかつ100点もの差を付けられて敗戦したりしている。

Img006801

そのラグビーのルール用語に「ラインアウト」と言う単語がある。
ボールがタッチラインを割った地点で、双方のフォワードプレイヤー(8名×2)がタッチライン5メートル後方に垂直に並び、タッチライン上から列の中央に投げ入れられるボールを奪いあうプレーを差し、ボールを投げ入れる権利はボールを蹴出されたチームに与えられる。(フリーキックおよびペナルティーキックを除く)

Photo_20221130082001

ボールを投げ入れる側は、キャッチングを有利にするため、投げ込む選手とキャッチャーとの間に数々のフォーメーションを作り、これを暗号化されたサインで結んでいる。
すなわち、相手のタイミングをずらすテクニックである。
具体的には、一番先頭に並ぶ選手に低いボールをいきなり投げたり、早いボールを投げる格好をして山なりのスローボールを中央の選手に投げたり、遠投して後尾の選手に走らせたり、様々である。

このプレーも云わばバレーボールと同様に空中戦の要素が高く、背の高いキャッチャーを擁する方が有利になる。
175cmの私は高校時代のチームの中で、それでも背が高かったのでキャッチャーを任されていた。

Photo_20221130082201

当時は許されていなかったのだが、現在のルールではキャッチャーがジャンプする際、補助(サポーター)が付けられる。
これをリフティングと呼んでいる。
キャッチャーの前後に並ぶ選手がキャッチャーの太もも辺りを抱え人間櫓(やぐら)を作るのだ。

このルール改定は、身長の低い日本チームに一見有利になる、と思われがちだがそうではなかった。
双方同等な練習を積んだ場合、背の低い人達が作る櫓は背の高い人達のそれよりやっぱり低くなるのである。


さて、柳本ジャパンは未公開で秘密裏に練習を始めよう。
栗原恵(186cm68k)がジャンプした際、大山加奈(187cm82k)が後ろから栗原の尻を、荒木絵里香(186cm83k)が前から同じく太ももを、支え上げるのだ。
栗原のしなやかな指先は一挙に地上4mの高さに固定される。
これは凄い事になる。セッター竹下(159cm55k)の余裕を持ってあげたボールを、最早ブロックの届かない高さから、狙い済ました栗原のスパイクが鋭角に相手コートに突き刺さる。

この技は、しかし、一大会でしか通用しない。次大会では全世界のチームがより高い櫓を組んで来るからだ。その一大会、来年5月開催の世界最終予兼アジア最終予選を柳本ジャパンはこれで乗り切る。

北京五輪、各国の櫓が乱立する中、ジャパンは新たな兵器で望む。

竹下佳江はセッターのポジションを高校生河合由貴(168cm62k)に譲り、佐野優子(158cm54k)はリベロを廃業する。
栗原・大山・荒木は元より、木村沙織(182cm65k)・高橋みゆき(170cm69k)等に空中高く投げ出される竹下・佐野両選手は軽々と世界の櫓の上空を舞いあがり、北京の星となる筈だ。

2007/11/27 升

画像①:1972/11/19  大泉高VS.青山高 全国大会東京都予選準決勝 於秩父宮 撮影:猪又芳明氏
画像②:1972/11/23  大泉高VS.目黒高 全国大会東京都予選決勝 於秩父宮 撮影:猪又芳明氏
画像③:1971/5  大泉高VS.千葉東高 関東大会 撮影:猪又芳明氏

 

 

 

 

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