蜜月(ナターシャと・・・)⑩
おもいのほかの自在虫
「お前、なに食った!」貴史は芳蔵に早速電話をいれた。
「なに食ったって?この前云っただろぅ。生トキゃ。」
「違う!虫がお前の尻から出る前に食ったものだ。」
「ほぉー、どんな趣向か知らんがな、思い出して見るわ。ま、焼酎は飲むわな、毎晩5合くらいな。で、酔っぱらっておるけ、晩飯に何食ったかほとんど記憶がなかとょ。朝はな、果物しか食べさせて貰えん。かみさんが煩くてな、永く働けと言う事だ。見切り品を大量に購って来てなぁ、ドンブリいっぱい食わされる。思えばなぁ、あの頃キウイが続いた、身が黄色いやつだった。」
中が緑色のキウイは、一般的にグリーンキウイと呼ばれており、品種名は“ヘイワード”と呼ばれる。中が黄色のキウイは、ゴールドキウイと呼ばれており、品種名は“ホート16A”だ。キウイには一般的にクエン酸とキナ酸が多く、それぞれ果実質量の1%前後含む。次いで多いのがリンゴ酸で、0.2~0.3%程度含んでいるとされる。
グリーンキウイの平均糖度は14~15度、ゴールドキウイの平均糖度は17~18度。ビタミンCの含有量はヘイワードで100g中66mgなのに対して、ホート16Aは104mgと実に1.5倍だ。
これで虫が嫌うアルコールと酸そしてビタミンCの三つが揃った。
「それでよ~、腹がピーピーだったんだけれど月曜日が休みだったんでな、かなり無理して朝お袋んちに行った。出すだけ出して何も食わんとな。で、その脚でお袋を車に乗せて“さきたま古墳群”に行った。あそこは凄いぞ!地元では世界遺産に登録しようとしている。教科書の写真でしか見た事もなかった前方後円墳の本物がお堀付きで田圃の真ん中に累々と座っている。あんたは知らんだろうが、太古の列島にはな、大和(やまと)の国と日本(ひのもと)の国があったそうな、教科書の前方後円墳は大和系の画像だ。それと同じものが埼玉県行田市に無数の存在をしている。もちろん、建後千年余、草ぼうぼうどころか小高い森林が過去権力者の墓であることなど、有識者に指摘されるまで今に生きる人たちには???だったろう。
それを今整備しつつあって一部を公園として無料で開放している。月曜で隣接の博物館もお休みとあってな、だれもいない広大な古墳の里をお婆と二人きりデートした。おぬしも一度は参るがよかろう。
往路にはな、饂飩屋の看板が何軒もあったのに公園入り口にある2軒の飯屋は博物館と同じく休みだ。俺には食うのが怖い事情があったがお婆に罪はない。なに、直ぐに饂飩屋があろうと車で歩いたが、往路とは違う街道を使った為か、復路になにもない。
半刻(1時間)余りも走った挙句、街道筋で“とんでん”の看板を見つけ、ほっとした。だがな、ほっとしたのも束の間だった。軽いメニュウを注文した筈なのに出てきたのは重いんだ。俺一人で持て余しているのに、いつもの様にお婆の膳の80%が必然廻って来る。これを平らげないと「お前、どうしたのかえ!」と、訝しい眼で睨まれる。結局な、暴食を終えた途端、“とんでん”の厠は水便に汚されていたと云うことだ。
その日の晩飯はお婆の手料理でな、食用菊(おもいのほか)の酢の物とニンニク下ろしたっぷりの解凍カツオの刺身、その他なにを食ったか不覚にも酔いつぶれて覚えがない。
夜中に2回水便に起きてな、次の日は朝4時半に起きて何も食わないで、健康顔を繕い、職場に向かった。途中喉が渇いてな、第三京浜料金所の向こうあるSAで“デカビタ”を自動販売機で購って飲んだ。頭はシャキッとしたがな、横々衣笠インターを降りた途端腹が又グズグズ云い始めた。30分走れば島の仕事場に辿り着くのでな、腹に言い聞かせてひたすら三崎街道を走った。汗かいたな・・・」
やはり、酒・酢・ビタミンCだ。更にニンニクが加わった。これで腹の虫は自在にコントロール可能になった。貴史は休勤日の前夜を狙い“それ”を実行した。続く
2008/07/05 升
おまけ
藤田 紘一郎 教授(以下、敬称略)のお言葉から: おっしゃる通り、確かに存在します。ただし、ここで皆さんにきちんと理解していただきたいのは、人間に寄生して活動する寄生虫は本来、「人間の身体を大切にする」ということです。
例えば、私は15年間、サナダ虫を(お腹の中に)“飼って”いました。サナダムシは私の身体の中で卵を産み、生き続けているわけです。もし、そのサナダムシが何らかの影響を私に与えることで、宿主である私を殺してしまったとしましょう。そうしたら、必然的にサナダムシも死んでしまいます。ですから、サナダムシはそんなことは絶対にしないのです。
様々な菌も同じです。こういう言い方は極端かもしれませんが、彼らは決して自分たちにとって不利益となるようなバカなことをしません。ですから、人間との共生が可能なのです。
怖いのは、他の動物に寄生するはずの寄生虫やばい菌が人体に入ることです。いま世界的な問題となっている鳥インフルエンザウイルスは、カモに寄生してカモの体を守っていました。カモに寄生している間は、“悪いこと”はしません。
ところが、これがニワトリに寄生したとたん、害を及ぼしました。そして人体に入ると、もっと危ない存在となります。
一時、話題となったエボラ出血熱ウイルスをご存じかと思います。人間に感染した場合の致死率は、50%から90%ときわめて高い、恐ろしいウイルスです。しかし、このウイルスはアフリカにおいてミドリザルを“守って”いたのです。
このように寄生虫や菌には、対象となる人間や動物に対して敵と味方があるのです。こうした事実をメッセージとして、より多くの人々に理解してもらうよう投げ続けていきたいと思っています。
| 固定リンク
「あやしいお話」カテゴリの記事
- 化け物病棟(2009.03.28)
- Walther(2009.03.15)
- ひな祭りの雪(2009.03.04)
- ぺへレイのどんど焼き(2009.01.21)
- 電気ブラン(2009.01.05)

コメント