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2025/10/07

Dear Captain Iizuka

飯塚主将や仲間達と一緒に訪れてから丁度50年が経ちました。

第5回北海道大学ラグビーフットボール選手権大会(以下全道選手権大会)は帯広畜産大での開催でした。
札幌を朝の7時発の急行列車に乗り、函館本線から根室本線と乗り継いで、昼前に帯広駅に到着。
畜産大までバスで行き、グランドを借りて一汗かき、翌日の試合に備えました。
馬がポクポク歩き回り、草の上でウシが寝そべっていました。

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ゲームで遠征するときはいつも自費でしたが、この時ばかりは、交通費・宿泊費とも大学が負担してくれました。
今調べたら、国鉄の乗車券が学割で910円、急行券300円、国鉄バス100円、しめて1,310円の旅。
現代から比べると破格に安い古き良き時代でしたね。

あの頃は全道でラグビー部を持つ大学は、私たちの様な2学年しかいない学舎も含めて、8校しかなかったのですね。
だから、3回勝てば優勝、全道代表の権利が頂けた訳です。

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近くにある安宿を宿舎にして大部屋で雑魚寝して試合に臨みました。
1回戦の相手は春先の新人戦で大敗した北海学園大で、Captain Iizukaをはじめ誰しもが、勝てるとは思っていなかった筈ですね。

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しかしながら終わってみたら10対7で勝っていました。
大学から一泊分の宿代しか預かってこなかった引率の工藤先生が狼狽し、大学は休日で連絡が取れないらしく、宿の電話で奥様とひそひそお話していましたね。
そうこうして、2泊目の宿賃を工面していただきました。
われわれは泥だらけになった試合用のジャージを宿の風呂場で洗い、翌日乾ききらないうちに着用して2回戦(準決勝)に挑みましたが、残念ながら小樽商大に大敗を喫しました。

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試合の後、近くの銭湯を泥だらけにしてヒンシュクをかったまま、チームの史上始めて勝利した喜びを噛みしめて帰路に付いたこと覚えています。

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さて、50年ぶりの畜産大。
190ヘクタール、東京ドーム40個分という広大な敷地はそのままでした。

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ウシや馬の姿は見かけませんでしたが、樹から樹へとエゾリスが忙しく走り回っていました。
キャンバス内のあちこちに駐車場が備えられていて、敷地内の移動に車やバイクが利用されているようです。

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単純に1㎞×1.9㎞の敷地だからとても歩いて移動なんか出来やしないという事なんでしょう。
更に、正門はじめ周囲の公道と繋がるT字ポイントは全てオープンで、守衛室もゲートすらない出入り自由です。

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グランドは夢の様でした。
地べた丸出しだった昔とは打って変わり、美しいグリーンが敷き詰められ、綺麗に刈り揃えられていました。
失礼ながらスニーカーで入らせて貰いましたがインゴールまでどこもフカフカでいくら転んでも痛く無いでしょう。
秩父宮よりはるかに素敵なこんなグランドで一度でいいからゲームをしたいものです。

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遠目では芝に見えますが、正体は多分牧草ではないでしょうか。
畜産大だけに牧草の管理はお手の物、刈り取られた草はきっと牛馬の餌に回されるのでしょう。

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二面あるグランドには人影はなく、練習時にスパイクシューズで痛めた痕跡も見当たりませんでした。
現在帯畜大は単独チームとして15人確保できないらしく、ゲームは他大学との混成で出場しているようです。
日々の練習すら覚束ないと云ったところでしょうか。

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今年の全道選手権大会は第55回との事。
とすると、我々は第5回の選手権大会に出場したことになりますね。
あれから半世紀、様々な大学が新しく出来、そしてなくなったりしたようです。
また、少子化の影響でしょうか、部員不足のために単独でチームが組めず、畜産大同様他校との合同で出場するチームも少なくないようで、毎年試合の組み方や編成が変わっているようです。
北海道ラグビー協会は組織運営作りに苦労しているのではないでしょうか。

今年度、2025年~26年の参加チームは、1部の4校(札幌大・北大・星槎道都大・小樽商大)と、2部の7チーム{北海道医療大・(旭川+酪農大+岩見沢)・(室蘭工大+日本医療大)・東海大札幌・札幌合同・(帯畜大+釧路)・東農大オホーツク・北海道科学大}、合計11チーム。
1部が総当たりのリーグ戦、2部がトーナメント方式で競います。
宿敵だった北海学園大は残念ながら出場していない様です。

1部の優勝者が北海道代表となる決まりで、昨年は札幌大が優勝、準優勝は北大でした。
北海道代表となった札幌大は引き続き、2位の北大と伴に東北代表の2校と北日本大学ラグビーフットボール交流戦(以下北日本交流戦)に出場します。
そして、優勝 八戸学院大学、準優勝 札幌大学、3位 東北大学、4位 北海道大学、という戦果を残しました。

この北日本交流戦に優勝したチームが、正月に秩父宮ラグビー場で決勝戦が行われる全国大学ラグビーフットボール選手権大会(以下全国大会)への、北海道・東北代表としての出場権が与えられます。

昨年はこの八戸学院大が全国大会で唯一行われる1回戦へ出場し、東海北陸中四国代表のIPU環太平洋大学と対戦しましたが、惜しくも敗退しました。

2025

一方、「もう一つの大学ラグビー選手権」と云われる大会が、やはり毎年正月に、名古屋の瑞穂ラグビー場で行われています。
この大会は全国地区対抗大学ラグビーフットボール大会(以下地区対抗)と呼ばれ、全国大学ラグビーフットボール選手権大会よりおよそ20年も古い歴史があります。
先の全国大会に出られなかった、北海道・東北・関東1区・関東2区・東海北陸・近畿・中四国・九州の各代表8校で争われるリーグ戦です。

昨年は北海道地区代表が札幌大、東北地区は優勝した八戸学院大が「全国選手権」の方へ出場するため、規定によって2位の東北大が東北地区代表として出場しました。

両校とも1回戦で惜しくも破れましたが、1回戦で札幌大を破った東京学芸大が昨年の第75回地区対抗の優勝校になりました。


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第75回全国地区対抗大学ラグビーフットボール大会 1回戦 瑞穂ラグビー場
東京学芸大のWタックルを引きずって突進する札幌大(濃紺ジャージ)日本ラグビー協会HPより拝借

今年の北海道大学ラグビーフットボール選手権大会は、現在第4節を終え、4年制になっている東海大札幌は2部の1回戦で室工大・日医大合同チームに敗れ、順位決定戦でも医療大に敗れたようです。
1部は、札幌大と北大が各2勝して同率首位、10月12日の両校決戦で優勝校が決まります。

果たして、北海道のチームが秩父宮に現れる日が来るのでしょうか。
2025/10/06 升
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*「釧路」は、北海道教育大学釧路校+釧路公立大学の合同チーム。
*「旭川」は、旭川医科大か旭川市立大か合同チームか不明。

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